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オバマ候補のいつでもどこでも

2008年4月10日 レビュー

昨年まで日本ではあまりニュースで流れなかったアメリカ大統領候補者選びも、今年に入ってからはオバマ候補vsクリントン候補という対決に焦点が決まって、今はかなりオバマ候補に軍勢が有利な様子。ど〜なるでしょうね。

オバマ候補の快進撃に、支持基盤に若者層を取り入れ、Webを使った戦略が一役買っていることは、いろいろな記事で見ることができます。
オバマ候補のサイトは、Webを使ったプロモーションの成功事例の代表作になるかもしれません。

オバマ候補のサイトのスクリーンショット シンプルで品のよさを崩さないデザインの中に、ありとあらゆる手法が取り入れられています。候補のプロフィールと政策の紹介、ブログ発信は当然として、最新ニュースや遊説の様子はビデオで紹介、グッズや演説のフレーズを使った着メロや壁紙のダウンロードなど。
そしてWeb上でいつでも少額決済できる献金。これでオバマ候補は莫大な資金を得ることに成功しました。
その献金システムを支えたのは、支援者個人個人が友人のネットワークを構築できるSNSの手法を取り入れたからだと言われています。誰でもネットを通じて選挙活動に参加できることと、若者層のコミュニケーション手段が、うまく一致したのでしょう。

さて、サイトと選挙活動についての詳細な分析は、きっとどなたか専門家がしてくれるでしょう。
ここでちょっと個人的に注目したのは、トップページの右下にある外部の有名なWebサービス群へのリンク。
わざわざ候補者のサイトまで来なくても、いつもあなたが利用しているサイトでもオバマ候補との接点ができますよ、という戦略。
一般的な企業サイトの場合、土日祝日のセッションが平日よりも落ちるものです。時間帯からみても、職場からのアクセスが多いことがはっきりしています。
帰宅してからや休日にネットをする時は、プライベートな時間を楽しむためのアクセスをしますよね。とくに意識をしていなくても、自分がいつもアクセスするサイトで、バナーではなく、コンテンツとしてオバマ候補のことが活気に溢れていたら、興味が沸いてもくるでしょう。

どこでもオバマのリンク部分

日本だったら、ミクシィでも2ちゃんでも楽天でもYahoo!JapanでもYouTubeでもニコニコ動画でも、そして主要なブログサービスのポータルで、みなある話題が一歩リードしていたら…、ってことでしょうか。
バイラル的にやろうとすると、「関係者の魂胆みえみえ」で叩かれる可能性大ですが、はじめから出店として構えちゃえばね。もちろん今でもされていることですが、主要Webサービスすべてを横断的に展開している例は日本にないのでは?

「いつでもどこでも」というインターネットが流行始めた頃に使われたフレーズが、今になってこういうカタチで実現していくんだなぁ、と思いました。もちろん膨大な資金が動けば可能なことなんでしょうけど、発信側だけでなく受け手の「だれでも」って部分が成熟してきたことですよね。

さて、以上でこのエントリーを締めようと思っていたら、「いつでもどこでも」を日本でも何気に展開しているところをばったり見つけました。
東京圏でのイベントのフライヤー印刷では誰もがお世話になっているであろう「グラビティ」さんです。
トップページの下の方に「Glavity Blog」というコーナーがあるのですが、ここにLiveboor Blog、Yaplog、Yahoo Blog、Seesaa、はてなダイアリー、Amebloという主要ブログサービスにページを持って展開しているのです。やりますねぇ!あとは動画系サイトを攻めれば…。

written by Hidden:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。

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