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学びはネットで一生ものに

2014年5月 8日 Creatorsトーク

大規模オンライン大学 MOOCs(ムーク)

アメリカを中心にした名門大学の講義をオンラインで無料受講でき、テストや課題提出をクリアするとその講座の修了認定を得られる(場合もある)「MOOCs(ムーク)」。留学せずとも、無料で、都合のいい時間で高等学問に接することができるというのは、ネット社会の成熟点のひとつと言えるかもしれません。
いや、そもそもインターネットっていうのは、学術・研究データの共有から...という歴史はここでは置いておいて、視聴という行為がテレビからネット動画にかなりシフトしてきた、インフラとライフスタイルの進化があってのことだと思います。ここまでこれたのは。

日本版MOOCとして登場した「gacco」

いろいろ夢が膨らむ「MOOC」ではありますが、立ちはだかるのは英語の壁。日本からも東大が講義を提供していますが、英語なんですよね。そうか、高等学問と向き合うには、英語くらいで怯んでいてはダメなんだと腰が引けておりました。
そこへ2月3日にNTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが、日本版「MOOC」として「gacco The Japan MOOC」を開設しました。おおっ!とさっそく会員登録。まだ13講座しかなく、どれくらい専門性のある知識が得られる講義なのか未知数なのと開講が少し先からなので、実はつい最近会員登録したことを思い出した始末です。〈それがこの記事を書く動機となりました〉
※ 本場MOOCsであっても、登録者数は数百万人ながら、科目修了するのは全体の4%だといわれています

カジュアルなWEBキャンパス「schoo(スクー)」

そんなヘタレな僕ではありますが、WEBキャンパス「schoo(スクー)」には、2012年7月からの有料会員(学部生)です。
「schoo(スクー)」の場合、学問という構えがなく、興味のあるセミナーをオンラインで視聴する感覚で授業を受けることができます。ライブで受講するときは、チャットで質問を投げることもできますし、もちろんライブでなく録画された授業も見られます。
Webに関する授業が多く、ほとんどが1回完結の授業のため、この業界で名の通った会社のディレクターさんやエンジニアさんの授業を気軽に月に2,3回受講してきました。
企業のセミナーに参加すると、結局はダイジェストされた情報と講演者の人材アピール、企業の製品やサービスの宣伝だったりしがちですよね。
「schoo」での授業も、そういう面はたしかにあります。それでも毎日なにかしらやっている授業は、レクチャーのショーケースのようでもあり、まるでロックフェスでいろんなバンドを見ながら、いくつかお気に入りができるような感じです。会社や人材の宣伝をオンライン授業という方法でやってもいいんじゃないの?と思うくらいです。そんなカジュアルさで帰宅後の時間を学習にちょっとでもあてられるのは、ありがたいサービスです。

この「schoo」、少し前に規模がドカンとでかくなりました。授業数が多くなり、ジャンルも幅広いものになりました。それこそ「MOOC」人気を採り入れるかのように東京大学 i.schoolによる連続授業もスタートしました。「あなたが興味ありそうな授業」を毎日のようにメールでお知らせをしてくれます。
「gacco」よりも先行していて、マネタイズができている分、ノウハウの蓄積がモノを言っているようです。さらに大きなネット上の学びの場になるかもしれません。

仕組みとしては整っている放送大学

学ぼうという意欲があれば、日本には「放送大学」というものがあります。大卒の資格がとれるコースから、興味のある科目だけを学んだり、何度でも再入学できるフレキシブルさがあります。しかも、専門のテレビチャンネル、ネット、ラジオ局で講義を流しているし、スクーリングもあるしの至れり尽くせりさ。敷居を感じるとすれば、淡々と眠くなりそうな講義の映像と、連続で受講する必要があること。
そして正直いえば、僕の場合は学問ではなく、実践に役立つ知識が欲しいんです。だから放送大学でなく「schoo」のスタイルが合っているのでしょう。

オトナの学びの欲求はオンラインで

自分に足りないものを埋めたい、知識を得たい。そうすれば自分に新しい可能性が生まれるかもしれない。そんな期待感にこれまでもネットは答えてくれていました。でもこれだけ情報がまわりに溢れていると、何か見落として、自分だけ損をしているかもしれないという不安も生まれます。だからこそ、自分に必要な情報を正しく取り込む知性が欲しくなる。もしかして、そんな強迫観念から「学び」に引き寄せられているのかもしれません。

今までも、カルチャーセンターや通信教育で、なにかを学ぼうという人はたくさんいました。プラスこれからはネット世代のおじさん&おばさんが高齢者になってきて、自分の親世代とは違う学習意欲と市場が生まれてくるかもしれませんね。


written by TZK:アートディレクター

※この記事内容はTZK個人の見解・意見であり、所属する組織の公式見解ではありません

コメント

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  1. 01

    Posted by ぶー 2014年5月22日 11:49

    某印刷会社のプランナーです。
    参考になりました。

  2. 02

    Posted by TZK 2014年5月24日 15:42

    ぷーさん
    お役に立てたようでよかったです。

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