日テレで2夜連続放送されたドラマ「東京大空襲」、見入ってしまいました。
力が入ってましたね。のちの世代に伝えていかねばならないことです。
伝えていくべきことで思い出したことがあります。
地下鉄構内のマナー広告にもあった「江戸しぐさ」。
なんのこと?ってはじめは思いました。
「江戸しぐさ」は「江戸思草」と漢字で表すように、
江戸時代の都市・江戸に住む商人の生活哲学、町民のマナーでした。
戦のない江戸時代、日本中から江戸に人が集まりました。
そこはまさに慣習・文化の異なる人間のるつぼだったんですね。
そんな都市でお互いを思いやって、お互いに商売をうまくやっていこう
と生まれた知恵であり、心意気だったのが「江戸しぐさ」。
狭い路地で対面する人とすれ違うときは、お互い右の肩をうしろに
引いて、胸を向き合わせてすれ違う「蟹歩き」とか、
つい人の足を踏んでしまったら、「すみません」と当然謝りますが、
踏まれた方も「うっかりしてまして」と言ってお互い会釈する
「うかつあやまり」とか。
日常の些細なことでも、お互いルールを守ることで、
トラブルになりそうなシーンを回避できる「江戸しぐさ」。
商売をする人にとっては、「うっかりしている」ことが
一番かっこ悪いことだったらしいです。
さっきの足を踏まれた人の場合、とっさに状況を読んで避けられなかった
ことが「うっかり」だったってわけ。う〜ん、粋じゃないですか!
こういう心意気、今でこそ「TOKYOしぐさ」として必要ですよね。
とくに些細なことでトラブルに発展しやすいネット上の
コミュニケーションで、気にくわないから相手を攻撃するのではなく、
お互いにいやな思いをせずに「伝える」「受け入れる」「謝れる」
知恵があればなぁとは思います。
「江戸しぐさ」は、リーダー格の人たちが作った知恵ですから、
組織で使える気配りもあります。
先に声をかけるのは、年下ではなく年上の者から。
その方がうまくいく、それが先人の知恵。
自分を磨き、そして相手を尊重すること。
みんなで賢くWin Winになりましょうや!という江戸気質。
偉そうに語ってますが、自分もその知恵を知りたいと思っている
聞きかじりです。
追記:昨日の「IT PRO Watcher」に、"江戸しぐさ"ならぬ"ITしぐさ"
という増岡直二郎さんの記事がありましたよ、と教えていただいた方
がおりました。まさに!という内容でした。ありがとうございます。
written by Hidden:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。