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人と人の間には混沌が

2008年3月13日 Creatorsトーク

Podcastで聞いている「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に、
宗教学者・人類学者・思想家・作家である中沢新一氏が登場した回で、
すっごく興味深い話をしていました。

人が対話しているとき、人と人との間には、
どっちつかずの「間」ができていて、それが「人間」という。
人間関係は、みんな、その「間」でつくられている。
「間」は「混沌」で、「混沌」には顔も個性もないけど、
人と人との受け渡しをやって、世界は成り立っている...。

物理学で、最初にその「間」のことを理論化したのは、
湯川秀樹先生(ノーベル賞受賞者)。
それまでは、2つの粒子があると、その間には力関係があって、
引っ張りあったりしていると考えられていたわけだけど、
そうではなくって、「間」に「中間子」というのがいて、
2つの粒子の間のやりとりを「中間子」が執り行っているのだと。
それが「中間子理論」ってやつで...

いやぁ。自分の中にない「考え方」を聞くのは、本当に面白いです。
人と人との「間」は、最近では「空気」なんて言い方もするよね。
そしてその「間」とは、ネットワークを行き交うパケットでは?
ネットとパケット、両方のことをいうのかな、この場合。
パソコンからパソコンへ、人の感情や思考をのせて、
それ自体はなんの個性も顔も持たず、相手に届けるネットワーク。

ネットは人間味がない、なんて言えないですよね。
それもまた、人間関係の1つ。
誤解されるのは、相手の「顔」が見えない間のパケットがあるから。

へぇぇ。面白いです。
あらためて、ぼくとあなたの間にある「間」を、じぃ〜と見つめてみませんかね?(笑)

written by Hidden:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。

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