中村勇吾さん「プロフェッショナル 仕事の流儀」
今日のNHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀」は、この業界人ならもれなく観るか録画しとけ! と暗黙の指令が放たれた、Webデザイナー:中村勇吾さんの回。
勇吾さんの作品は、ただもう「すごいよねー」と恐れ入っちゃう、Web+アート+コミュニケーションの先端点を見せてくれます。
番組は、これまで勇吾さんを紹介する記事等で存じ上げていたことを、テレビカメラがトレースしていくような感じでした。半年間はガァァァ〜と受注仕事をして、残りの半年は自分のための実験期間にあてるとか...。それはとっても必要なことだと思うのだけど、なかなかできることじゃないですよね。
自由を得るためには戦わなくてはならない。
そういえば、「仮面ライダー」も正義のためでなく自由のために戦っていたのだっけ(ついでにいえば、ショッカーも秘密組織ではなく「団体」だったそうだ)
組織の中で企業の注文に応える仕事をしていくうちに、状況に失望し、志が削られていくように感じた、と語っていた勇吾さん。
Webデザインの中でも、まずは言葉に置き換えて事前承認を取るのが難しいアートの領域で、すごい期待を負いながらも、誰もが反応したくなるカタチに仕上げてしまうのはモノすごいこと。
専門誌の記事では伝わらない、自由な表現の道を選んだ覚悟みたいなものが、テレビ画面からひしひしと感じ取れました。穏やかな口調で取材カメラに応えながらも、戦ってるんだなぁ、このお方は。そしてそれを楽しんでるんだと...
僕が番組に期待していたのは、勇吾さんの頭の中、思考がどうイメージ化していくのかってことだったんですけど、結局それは見て取れるものではないんですよね。でも発想をいきなりスクリプトでアウトプットするという姿は見られました。自分にはとうていできないことだ。
「真のコラボレーションは、組織の中からは生まれず、個人の頭の中にしかない」って言葉は、すごく分かります。他人の頭の中を容易に覗くことなんてできないから、優れたアウトプットには惹かれてしまうのです。
コミュニケーションのツールとして、どうやってWebデザインを成立させていくか。
ぼくらも同じように考えながら地味に仕事をしているのだけど、先端に位置する人の仕事ぶりを見ることで、パワーをもらえた気がします。
最後にテロップで出る「流儀」のフレーズよりも、なんでか僕はこのフレーズが妙にリアルに残りました。
「Webは、その時々に反応して作っていく」
確かに。確かに。
- 中村勇吾さんのサイト
http://www.yugop.com/
written by TZK:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。